21世紀は生物産業の時代と言われ、環境、食糧、エネルギー、保健福祉を軸に発展すると考えられています。その中心的技術は、生物の機能をより高度に活用する手段であるバイオテクノロジーです。本学科では農業生産、発酵・食品・化学工業、環境保全などの現場から生じる様々な問題を生命現象の原理に基づいて解明し、その成果を新しいバイオテクノロジーとして展開できるよう、広範囲の学問領域について基礎・専門教育を行います。
教育では、4年一貫の教育カリキュラムを遂行しています。1・2年次には、本学科で学ぶべき目標を設定できるよう、応用生命科学科全般の学問領域を平易に解説する入門的科目とともに、共通基礎として物理化学、有機化学、生化学を受講します。3・4年次では、動物、植物、微生物を対象とした基礎から応用にわたる広い範囲の学問分野を体系的に受講し、それぞれの理論を体験的に修得できるよう周到に準備された実験・実習を受けます。さらに4年次では、研究室に配属され、新しい研究課題への取組みを通じて、創造的研究の遂行方法と考え方を学びます。
これらのカリキュラムに基づいて、社会の要請に応え、活躍できる自立したバイオテクノロジーの研究者・技術者を養成します。応用生命科学科は、以下のような観点から研究・教育しようとしています。
■ 生物・生命現象を細胞レベル・分子レベルまで掘り下げ、化学の言葉での理解。
■ 微生物・植物・動物を対象とし、生物機能の共通性と多様性の理解。
■ 新たな発見、発明をもとに応用研究への展開。
■ 上記のような研究を通して、研究アプローチの仕方、論理的なものの考え方をマスターするとともに、企業からの講師や工場見学を通した応用教育。
本学科は、下記のように、13分野から成っており、ヒトから微生物にわたる広い範囲の生物を教育・研究の対象としています。ここで共通する学問的基盤は、生命現象を分子レベルで解明することです。対象となる分子は、無機化合物、低分子有機化合物、および核酸・タンパク質・脂質・多糖などの生体分子であり、個々の分子の性質や分子間の相互作用によって生じる生物機能を明らかにしてゆくことを課題としています。また、生体分子のはたらきを細胞構造との関連から明らかにすることも基盤的な課題です。
分子細胞育種学